
密偵にあるまじきアレの大きさを気にしていたら、激重な愛をぶつけられました
- 発売日2026.04.24
- 価格¥836(税込)
※価格や発売日はストアによって異なります。
ま、待て! ダメじゃないが今はダメだ!
ユーリアは、自他ともに認める優秀な人間。しかし宰相の隠し子のため表舞台には立てず、密偵部隊の管理人として働いていた。そんなある日、任務では一切の隙を見せない隊長ルヴェイクの“アレの状態”がおかしいことに気づく。元々大きいのに、こんなに頻繁に反応してしまうなんて、密偵として由々しき事態だ。管理人である自分が解決しなければ——と原因究明に乗り出すが、情緒に欠けるユーリアには原因が分からず、アレを我慢させる訓練をしたり、彼の要求に応えたりしているうちに、彼との距離はどんどん近づいていき……。問題を解決するはずが、気づけば甘やかされ、囲われて、いつの間にかおいしくいただかれていて——?
電子書籍購入サイト
人物紹介

-
ユーリア
王族に仕える密偵部隊の管理人。切れ者宰相の父の血を引いて優秀だが、情緒面が育っておらず男女の機微にも疎い。男所帯の中でも危機感が薄いため、ルヴェイクにたびたび叱られている。

-
ルヴェイク
貴族の子息だったが跡目争いに巻き込まれ、命を狙われた末に密偵組織に拾われる。任務では冷静沈着だが、ユーリアの前では理性が揺らぎがち。ユーリアにまったく気持ちが伝わっておらず悶々としている。
試し読み
「あっ……! それは大通りの蜂蜜バタークッキーですか?」
「ご名答」
彼が袋を開けると、食欲をそそられる匂いが鼻に届く。
「王宮からの帰りに買ってきた」
王宮近くの商店街に有名な菓子店がある。自前の養蜂場の蜂蜜をふんだんに使用しており、中でも蜂蜜バタークッキーが有名だ。菓子を買うと蜂の絵の判子を押した紙袋に入れるので、中を見ずともその店の菓子であることは察せられる。
「今回の俺の報酬だが、これを俺に食べさせてくれ」
ルヴェイクはクッキーをユーリアに手渡してきた。
「え……? それだけですか?」
予想外の要求すぎて呆気にとられる。
「そうだ。なにか問題でも?」
「いえ、こんなの報酬にならないですよね?」
今回の任務で彼が得られたはずの金額はおおよそ察しがつく。美女を数名侍らせて豪遊してもお釣りがくるだろう。
髪の色くらいしか取り柄がないユーリアにこんなことをさせる意味がわからない。それ以前に、密偵が怪我をした際はユーリアが食事の補助をしている。
前にルヴェイクが手を怪我した時も、しばらくの間お粥を掬って彼に食べさせたけれど、管理人として当然だ。もとより無償でしていた行為であり、わざわざ報酬として望む意図が理解できない。
「まさか、手の機能に障害がありますか?」
彼の怪我を見落としていたのかと不安になる。しかし彼は即座に否定した。
「いたって健康だ。君が嫌だというなら別のことを頼むが、どうだ?」
「嫌ではありません。むしろ、この程度では任務の報酬にはなりえないかと。もっと別の要求はないのですか?」
「俺が要求するのは君がこのクッキーを俺に食べさせることだ」
ルヴェイクはきっぱりと言い切る。
(これが任務の報酬なんて考えられない。もしかして、勃起に関係しているのかしら?)
考えを巡らせていると、彼が追加で要求を告げてきた。
「ちなみに、俺も君に食べさせる。恋人のように食べさせあいたい」
「……? わかりました。恋人のようにというのが重要なのですね。上手にできるかわかりませんが、精一杯努めます」
恋人のように食べさせあう必要性はわからないけれど、まずは大人しく従うことにする。
(きっと、食べさせあうという行為に意味があるのね。任務に必要なことなのかしら? でも、それなら報酬じゃなくても管理人として訓練に付き合うのに)
ユーリアはそう思いながら紙袋の中からクッキーを一枚摘まみあげた。恋人という設定なので、それらしい言葉をかける。
「はい、あーん」
「……ッ! そう、それだ!」
ルヴェイクは嬉しそうに口を開く。彼の口は大きくて一気に食べてしまった。
(結構大きいクッキーなのに、すごいわ)
咀嚼する彼を見てユーリアは感心する。その指先に白い粉がついていることに気付いた。クッキーの表面にまぶされていた粉砂糖だ。
ユーリアは彼が食べ終わるのを見計らって、唇に指先を押し当てる。
「……?」
「舐めないんですか?」
「へ?」
「前に公園で見た恋人たちは、こうしてましたけど」
恋人のようにと所望されたからには完璧にこなすつもりだ。
以前、公園でベンチに座っている恋人たちを見かけた。彼らは互いに菓子を食べさせあっていて、指まで舐めていたのである。友人同士ならそこまではしないはずなので、あれは恋人だからこその行為だと思ったが、違うのだろうか?
「ルヴェイクさんの要求とは違いましたか?」
「い、いや。間違ってない」
ルヴェイクはユーリアの手首を掴むと赤い舌を伸ばした。生温かく、ざらついた舌が指先を這う。
予想以上にくすぐったくて、ユーリアは思わず声を上げてしまった。
「んっ」
「……」
ルヴェイクはユーリアの指をぱくりと咥えると、舐めしゃぶる。
(えっ? もう砂糖は舐め終わったはずでは?)
まるで飴でも舐めるかのように、彼はユーリアの指をしつこく嬲った。気がつけば、指の付け根まで舌先が這っている。
「……っ、ん……」
唇から熱い吐息が零れる。
「ハァ……っ。ありがとう、ユーリア。最高だ」
ようやくユーリアの指から唇を離すと、彼は嬉しそうに微笑んだ。
(よくわからないけれど喜んでいるみたい? とりあえず要求に応えられてよかったわ)
勃起の件はさておき、クッキーのやりとりについては彼の要求している水準に達したようだと安心する。
「次は俺が食べさせる番だ」
ルヴェイクは紙袋からクッキーを取り出すと、ユーリアの唇の前に差し出した。
「い、いただきます」
ユーリアは小さな口を開く。一口かじると、舌の上でほろりとクッキーが崩れて甘味が広がった。
(美味しい!)
食感がよければ味もいい。さすがは有名店のクッキーだ。一口ずつ、ゆっくりと味わって食べる。
ルヴェイクは目を細めながらユーリアを眺めていた。
ユーリアは食べ終わると、舌をちろりと差し出して彼の指を舐める。
「ん……」
ぴくりと、彼の指先が反応した。ユーリアは先程彼がしたように、太い指を咥える。
「はぁ、む……」
一生懸命彼の指を舐めた。唾液を絡ませ顔を揺らす。
「あっ……ユーリア……これは……もはや擬似的なあれで……あぁ――」
意味のわからないことを呟きながらルヴェイクは恍惚とした表情を浮かべる。ふと彼の下腹部に視線を向けると、そこは微かに膨らんでいた。
(あっ、また勃起してる。怒っているように見えないから、疲れ魔羅のほうかしら?)



